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山﨑 ローソン

どもっ、ローソンです。今日はゲイにとって悩みのタネのひとつ、カミングアウトとアウティングについてのお話です。

カミングアウト

カミングアウトは簡単に言うと『自分がゲイであることを打ち明ける』といった感じでしょうか。
ゲイに限らず性的指向や性自認を公表することとして使われますが、最近はLGBT関連の用語というより日常的に秘密を打ち明けるという使われ方をしていますよね。
カムアウトと呼んだり、SNSなどではカムアと略したりもします。

アメリカで生まれた言葉で、ゲイであることを隠している人のことをクローゼットと呼んでいて、そのクローゼットにしまいこんだ自分を外に出すという意味で生まれた言葉だそうです。

アメリカでの使われ方としては、社会的に自分がゲイであることをオープンにして生きることを言うそうなんですが、日本での使われ方は少し違っていて、
「親にカミングアウトしようかな…」「親友にカムアした〜」
といったように、特定の相手に性的指向などを打ち明けるときに使われているようです。
社会的にオープンにしている人のことはオープンリー・ゲイと呼ばれたりもしますね。
ちなみにここまでの解説の半分くらいはWikipediaを読みながら書いているからそっちも見てね。

「彼女いるの?」って面倒くさい

ローソンは特にゲイであることをオープンにしていないのですが、友達数名には言ったこともあります。
話の流れで打ち明けたケースもありますし、僕含めよくあるのが恋愛関係の話がしづらいのでカミングアウトしたこともあります。

日常会話で、彼女はいないのか、結婚はまだしてないのかと聞かれることはゲイ・ノンケ限らずありますよね。
ゲイであることを公表してないのでうまくはぐらかすことが多いのですが、正直面倒だなと思うことが多いです。
今は晩婚化やおひとり様という言葉の影響などでだいぶ隠すのが楽になりましたし、「結婚する気はないですよ〜」と言い切っちゃってもそんなに変な目で見られなくなってきましたね。

アウティング

カミングアウトと併せて覚えておきたい用語としてアウティングという言葉があります。
こちらはカミングアウトに比べるとLGBTに関心のない人にはまだまだ知られていない印象です。

アウティングは、性自認や性的指向を、本人に無断で他の人に教えてしまう行為です。
「実は◯◯さんってゲイなんだよ〜」なんていう感じですね。

カミングアウトという言葉が存在しているくらいなので、ゲイであることは気軽に公表できない、生活や友達関係、親との関係性などに大きな影響が出る要素です。
本当はそんなに重く考えなくてもいい世の中になると生きやすいんですけどそうもいかないので、僕自身もほとんどカミングアウトしていないです。
そんな要素を本人に無断で公表してしまうのだから普通に駄目でしょって感じなんですが、完全に悪意があってアウティングしているとも言いきれないのがこの問題の闇が深いところ。

善意のアウティング

例えば「みんなが知ったほうが配慮しやすい」といった善意からくるケースも有り得ますよね。
性的指向以外のケースに置き換えるとわかりやすくて、病気や怪我をしている人、障害を持っている人がいたらそのことを周りに伝えて「協力し合おう」みたいに思う人もいるんじゃないでしょうか。
これに関してはちょっと言葉を強く言ってしまいますが余計なお世話の一言につきます。

特に性的指向の場合は、身体的に何か配慮をしてほしいということもないですし、仕事や日常生活で困ることはかなり少ないんです。
ですのでもし配慮してほしかったら自分から言うので、本人が言わない限りは基本的に他人には話さないようにしてくれるとうれしいです。

重すぎた秘密

もう一つのケースとして、相手の性自認を知ったということを重みに感じてアウティングするというパターンも見られます。
カミングアウトの説明として『打ち明ける』という言葉を使ったとおり、カミングアウトは秘密の共有という側面も持っています。
その秘密を重たいと感じてしまったときに、他の人に相談したり、秘密を知る人を増やすことで負担を軽減しようとするというのは想像に難くないのではないでしょうか。

アウティングという言葉自体も少し前までゲイの間でもそこまで広まってはいなかったのですが、2016年に一橋大学で起こったゲイ学生の自殺事件によって誰もが知る言葉になりました。
彼はアウティングされたことによるパニック障害などが原因となって自殺に至ってしまい、その時アウティングした友人がまさに秘密を重いと感じたことから起こってしまった事件です。
詳細は『一橋大学アウティング事件』などで検索していただくと多くの情報が出てきます。

いつかはなくなる言葉(になるといいな)

ちょっと全体的に重たい話になってしまったんですけど、将来的にはカミングアウトがもっと気楽にできるようになっていくといいですね。
ゲイであること、性的少数者であることを公表するハードルがもっと下がっていけば相対的に秘密としての重さが減っていき、アウティングのリスクも減っていくんじゃないでしょうか。

LGBTの記事でも書きましたが、一説には性的少数者の割合は左利きの割合と同じくらいと言われています。
「私左利きなんだよね〜」と言われても、へーそうなんだとしか思いませんよね。
僕自身左利きなんですが、それで困ることはほとんどないですし、それを知った友達から何か言われたり特別な配慮をされた経験もないです。どうせなら映画の割引くらいしてくれてもいいのに。

例えば左利き向けのはさみなど、左利きに配慮されたグッズが販売されていますが、そのことを普段特別に意識したりはしないですよね。
LGBTであることも将来そんな存在になっていくんじゃないかと思いますし、そうなるためにたくさんの人が活動してくれています。
まだまだ頑張ってる途中!