WRITTEN BY

山﨑 ローソン

おてんばポーチ

どもっ、山﨑ローソンです。 先日公開した11杯目A『J-Waveでは治安の悪い飲み方の話とかしないのでは?(名推理)』の中でポロッと出したおてんばポーチという単語がTwitterの感想で思いの外話題になりました。ゲイ界隈にいると当たり前の用語過ぎてすっかり忘れてしまうんですが、ノンケ社会だと使わないですもんね。

おてんばポーチとは

おてんばポーチは、ゲイがセックスのために必要なアイテムをひとまとめにしたポーチのことです。メイクポーチのような大きなものではなく、ポケットに入れられるくらいの小さなサイズ感のものを使っていることが多いです。

そもそもおてんばという言葉自体がゲイ業界でハッテン場に行くことの暗喩として使われていて、そこから転じたものだと思われます。ただ、ぶっちゃけ最近の若い子はおてんばとか使わないと思いますね……。

おてんばポーチの必要性

セックスのために必要なものをポーチにまとめるのがゲイの間で共通認識になっているのには理由があります。

1. 必要なものが多い

まずはセックスに必要なアイテムが複数あるので、まとめておいたほうが便利だという点。ノンケのカップルだと必要なものはコンドームくらいという方が多く、なんならラブホテルに行けばコンドームが置いてあるので手ぶらで行っても問題ないですよね。ゲイ同士の場合、コンドームの他にアナルセックスをスムーズに行うためにローションが必要になることが多いです。

その他には洗浄のためにイチジク浣腸を持ち歩くこともあります。これらをひとまとめにポーチに入れることでかばんの中でバラけない上に、人に見られる心配を減らせるのもおてんばポーチの優れた点です。

2. ハッテン場で持ち歩ける

もう一つの理由は有料ハッテン場の仕組みに関係しています。

最近のハッテン場は個室ごとにローション・コンドームが用意されている店舗も多いのですが、ティッシュくらいしか用意されていないところも少なくありません。そういった店舗を利用する際は自分でローションとコンドームを持ち歩かなければならないので、ポーチにまとめてあるほうが便利なことが多いのです。

また、ローソン個人の経験としては、暗くてよく見えないハッテン場の中でモノをなくしたり他の人に間違えて持っていかれてしまうことが多く、そのへんもおてんばポーチなら大きくて見分けが付きやすいです。

おてんばポーチの中身をチェック!

実際に僕がどんなポーチを使っているのか、気にならない人も多いと思いますが公開しちゃいます。さすがに実写は生々しすぎるので、ナチュラル志向の女性誌にありがちな「なんかラフな感じに描いてるのが着飾ってなくておしゃれだよね」的な雑な絵でお送りします。

おてんばポーチ
何この図……

無印良品のポーチ

メインのポーチは無印良品のセール品だったものを使っています。単純に無印良品が好きで品質を信頼しているからというのもありますが、いい意味で地味なカラーやつくりのものが多いので持ち歩きやすいと感じています。

僕自身は女性向けデザインのアイテムを持ち歩いたりするのは全然平気なんですが、ハッテン場で持ち歩くとなるとなんとなく雄感を出したくなるんです。あと仮にキキララのポーチでハッテン場を練り歩いてたら周りのテンションも下がっちゃいそうな気がしますし……。

ローション用詰替えボトル

ローションはポーチに入る小さいサイズのものを買ってもいいんですが、みんなそれぞれ好みのテクスチャがあったりすると思うので大きいサイズのものから詰め替えて使っている人が多いんじゃないでしょうか。それに経済的ですしね。

僕がハッテン場で一番紛失しているのがローションボトルで、最初の頃は使いやすさを考えて好みのボトルを探したりしましたが最終的になくしても心が傷まない百均で3個入の小さめなボトルを使うようになりました。小さいボトルだと詰め替え回数増えて手間になるかなあと思っていたんですが、実際使ってみると一度にそんなに大した量を使わないことがわかったので気にならなかったです。

TENGAの缶ケース入りコンドーム

ポーチの中にポケットがついているのでそこにコンドームを入れておくこともあるんですが、最近買ったアイテムでTENGAが出している缶ケースに入っているコンドームが持ち運びに便利でおすすめです。

缶ケースに入っているメリットとしてコンドームが傷つくのを防げるので、普段は財布にしまってますなんて童貞中学生みたいな男子はぜひこれを買ってみてください。実用的なメリットはもちろん、TENGAらしくデザインもこだわっていてかわいいです。でも丸型の変形タイプだから他のコンドームを入れることはできないんですよね……。

自分のために、おてんばポーチを持ち歩こう。

とまあ今回はかなり突っ込んだゲイカルチャーの話をしてみたのですが、おてんばポーチの文化はゲイに限らず一般に広まってもいいんじゃないかなあなんて思っています。

セックスに関するアイテムを持ち歩くのってなんだか気恥ずかしいですよね。特に女性だと未だに「男性よりもセックスに対して消極的であるべき」という価値観が強く残っている印象もあり、性交痛を感じながらもローションを使うことをためらってしまうという話も耳にします。

おてんばポーチは持ち運びの便利さはもちろん、コンドームを外部の衝撃から守ってくれたりもしますし、何よりかばんの中で隠れてくれることがとても心強く感じます。自分自身がセックスを楽しむために、自分に合ったコンドームやローション、その他のアイテムをもっと気軽に持ち歩いてみませんか?